第456話彼女の前で愛情を示す

「エミリー……ダニエル……?」

そうに違いない。

この忌々しい女――ゾーイだった。

まさか、こんなところでエミリーとダニエルに鉢合わせするなんて、思ってもみなかった。

目の錯覚じゃないか確かめたくて、思わず二人のあとをつけてしまったほどだ。

今日この店に来たのは、上機嫌で美味しいものでも食べようという気分だったからではない。

ただひとえに、ダニエルに出し抜かれたことが腹の底にこびりついていて、恨みが消えなかったからだ。

ダニエルに仕返しできない分、怒りの矛先はネイサニエルへと向けられた。

この店が予約の取れないことで有名だと知っているからこそ、ネイサニエルに無理やり個室を取らせ...

ログインして続きを読む